ガリバーのクレームガード保証は加入すべきか?売却後の減額トラブルを回避

ガリバーのクレームガード保証
この記事を読めば解決できること
  • クレームガード保証が知りたい
  • ガリバーの担当者から加入を勧められている
  • 加入すべきなのか教えてほしい

中古車買取の大手ガリバーに車を売る際に、必ず担当の方から聞かれるのがクレームガード保証への加入です。

クレームガード保証とは、あらかじめ保証料を払うことで、あとから生じた不具合で車の査定価格が下がっても差額の補填が免除されるガリバー独自の保険のようなものです。

実際に国民生活センターには、契約後に査定額が減額されたといったトラブルが報告されています。

【事例6】修復歴を告げ、2回も査定して決まった売却額が、突然減額された

車を売却しようと店舗へ出向き査定を受けた。その後、再び同じ店舗で、駐車中にフロント左側をぶつけられ修理した等の修復歴を全て告げたうえで再度査定してもらい、提示額に納得して契約した。ところが一昨日事業者から、「車をオークションに出したら、事故車扱いとなった。契約金額から約 30 万円減額してもらえないか」と連絡があった。2回も査定したうえで契約したのに納得いかない。契約通りの金額を支払って欲しい。

引用元:国民生活センター「増加する中古自動車の売却トラブル」

このような減額トラブルを保証してくれるのがクレームガード保証です。

以前はWECARS(旧:ビッグモーター)でも、売買契約を交わす際に同様の保証が勧められていました。現在は、WECARSにクレームガード保証はありません。

ここまでの内容を見ると、クレームガード保証に入った方が安心だと思われるはずです。

しかし、結論から言うと、売主として誠意をもって修復歴や傷などの不具合を買取業者に報告し、売買契約書の内容を確認すればクレームガード保証に入る必要はありません。

▼クレームガード保証に加入しない理由▼

この記事を見て頂ければ、ガリバーのクレームガード保証の内容を把握したうえで、加入の必要性がわかります。ぜひ参考にしてください。

目次

クレームガード保証なら売却後の減額を回避

ガリバー公式サイト
画像引用元:ガリバー公式サイト

ガリバーでは車売却後に不具合が発生した場合に3万円まで減額に対する保証金を出しています。ただ、3万円を超えた分は売主が負うことになります。

3万円を超えた減額を保証するために「クレームガード保証」が用意されています。

GOODSPEED編集部

このような種類の保証自体、ガリバーが業界で初めて導入したため、クレームガード保証という言葉を聞いたことがなくても不思議ではありません。

そもそも中古車の買取では、目視による検査と動作確認によって得られたデータをもとに、買取価格を算出します。車のような機械の場合、目視では確認しきれない不具合が後から見つかることがあります。

クレームガード保証に加入すれば、ガリバーに車を売却した後でその車に何らかの問題が発生しても、売主はその責任を負わなくて済みます。

GOODSPEED編集部

後に見つかる不具合が原因で、再査定のトラブルに発展することがあります。その場合、基本的には売主がその責任を負って負担額を支払うことになっています。

買取業者である買主が、不具合によって損害を負わないようにするために契約不適合責任が制度として設けられています。

契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)とは

瑕疵担保責任は買主を保護するために制定されました。買主が不具合や故障のリスクがあることを知らずに購入した際の損害を防ぐためです。(参照:国土交通省「瑕疵担保責任について」)

2020年4月から瑕疵担保責任ではなく「契約不適合責任」として施行されました。

つまり、売主が故意に事故歴を隠すことによる損害について、買主が売主に対して損害賠償金や契約解約料の請求を行うことが可能です。最悪の場合は裁判に発展する可能性もあります。

契約不適合責任の詳しい内容は割愛しますが、カンタンに言うと買主(買取業者)を守るための制度です。

仮に売主も知らない欠陥や欠点が、後にわかった場合は契約不適合責任による減額や契約解除を請求される恐れがあります。

ガリバーのクレームガード保証は、売主がこの責任を負わなくてよいという内容です。

GOODSPEED編集部

後から不具合があることがわかっても、売主にクレームを入れないということが保証されます。

ただし、売主が故意に車両の問題を隠した場合、契約解除や減額、さらに損害賠償を請求される場合も。最悪の場合は裁判に発展する可能性もあるため、必ず正直に不具合を申告してください。

クレームガード保証の料金と限度額

ガリバー公式サイト
画像引用元:ガリバー公式サイト

ガリバーのクレームガード保証は、保証料や保証される限度額、さらに期間が決まっています。

車の種類や買取金額によって売主が支払う保証料にも違いがあるため、加入前に必ず確認が必要です。

クレームガード保証の具体的な内容は以下のとおりです。

スクロールできます
売却金額保証の料金保証限度額保証期間
国産車輸入車
~100,000円4,900円4,900円100万円7ヶ月
100,001円~200,000円5,900円6,900円
200,001円~300,000円6,900円7,900円
300,001円~400,000円7,900円9,900円
400,001円~500,000円8,900円11,900円
1,000,000円~1,500,000円11,900円17,900円
1,500,001円~2,000,000円13,900円20,900円
2,000,001円~2,500,000円15,900円23,900円
2,500,001円~3,000,000円18,900円26,900円
3,000,001円~21,900円29,900円
設定金額は国産車より輸入車の方が保証料金が高く設定されています。

例えば買取金額が10万円までの場合は、保証料が4,900円です。一方、100万円を超えてくると保証料は1万円以上になります。

ただし、売却金額がいくらであろうと、保証限度額は100万円までで期間は7ヶ月となります。

クレームガード保証に加入する必要はない

要注意

車を売却した後に不具合が見つかるケースも考えられますが、基本的にはクレームガード保証に加入する必要はありません。

二重査定による減額トラブルでもご説明しましたが、以下2つの項目を売却前に確認してください。

  • 売主として車の状態を正直に説明する
  • 売買契約書の内容を確認

まず、査定時には修復歴や傷、凹みなど査定に影響することを隠さず、正直に査定士に伝えてください。

自分で把握できる修復歴や傷凹みは伝えましたが、それ以外にもあるかもしれません。修復歴や傷、凹みなどすべて確認した上で査定額を出してください。

要するに「査定のことはよくわからないから、トラブルを防ぐためにも入念に欠陥や欠点をチェックしてください。プロに任せます。」と伝えるのです。

本来、買取業者は査定のプロであり、本来は査定時間内に欠陥や欠点を見つけなくてはいけません。

消費者の自宅で査定を行う訪問買取は、事業者の店舗で行う査定と比べて設備面が充実していないことから、正確な査定ができないリスクがあります。しかし、事業者はこのリスクを承知のうえでプロとして車の査定額を出しています。消費者から修復歴や事故歴を聞いたうえで査定額を決定したにもかかわらず、車の引渡後になって、その修復歴や事故歴を理由に減額することは問題があります。

引用元:国民生活センター「増加する自動車の売却トラブル」

国民生活センターは売主から修復歴や事故歴を聞いたうえで、それを理由に引渡後に減額するのは問題があると注意喚起しています。

拡大解釈かもしれませんが、売主から「修復歴や事故歴、傷や凹みがあるかわからないから隅々まで調べてほしい」と依頼があったにもかかわらず見つけられないのは、買取業者にも責任があると考えられます。

GOODSPEED編集部

必ず正直に修復歴や傷を申告し、まずは売主として説明責任を果たしてください。そうすれば、後に責任を追及されない抑止力になります。

次に、必ず売買契約書を確認してください。

もし売買契約書の内容がわからない場合は、担当の方に契約不適合責任について説明を求めてください。買取業者の多くは、売買契約書に以下のような文言を記載しています。

実際に契約書に記載された例
  1. 売主は契約不適合責任を負わない
  2. 買主は、前項を除き、契約車両に修復歴があることを原因として、本契約を解除することはできない。
  3. 売主は本契約締結し車両引き渡し以降に発生する一切の責任は負わない

要するに、売買契約後に見つかった不具合で車の査定額が下がっても、差額を補填する必要はない(契約不適合責任を負わない)といった内容です。

売買契約書にこのような記載があれば、売買契約後に売主が故意に隠した欠陥や欠点を除き、請求されることはありません。

GOODSPEED編集部

それでも不安で面倒なことはなるべく避けたいという方は、加入を検討してみてください。

中古車を売るならクレームガード保証はありかも

購入した車が中古車の場合、前所有者やさらに前の所有者が事故を起こしていたことを把握できないケースもあります。

問題ないように見える車であっても、前のオーナーが何か不具合を隠していた可能性も考えられます。

新車に比べて中古車を売る方が、後に不具合が見つかる可能性は必然的に高くなります。

基本的には「クレームガード保証に加入する必要はない」でご紹介した売却前に確認すべき2つ項目を実践すれば回避できます。

しかし、買取業者側も損害が大きい場合は責任を追及してくる可能性はあり、それに対して反論しなくてはいけません。

ガリバーで売る場合に限りますが、このような面倒なトラブルをなるべく避けたい方は、加入を検討してみてください。

新車で購入した車を売るならクレームガード保証は不要

繰り返しになりますが、クレームガード保証が効果的なのは、売却する車が購入時に中古車だった場合です。

新車で購入した車の場合、特に事故歴や修復歴は自分で把握しているため、後から不具合が発覚するような可能性は低いです。

安心のために加入しておきたいと思うかもしれませんが、保証の料金の負担を考えると必要ありません。

クレームガード保証に言及した口コミと評判

実際にクレームガード保証について様々な意見が挙がっています。

クレームガード保証に対する評価は低いものが多いです。一方、使わない保証に対して評価を書き込む人が少ないのも事実です。

GOODSPEED編集部

実際に使用した場合はその評価を書き込むかもしれません。調査段階では利用した感想が少なく、そもそも不具合があって請求されているケースが少ないのかもしれません。

ガリバーのクレームガード保証に関するよくある質問

ガリバーのクレームガード保証はいくらまで保証してくれますか?

保証は最大100万円までです。

ガリバーのクレームガードは、売却後に発覚した不具合や欠陥に対する修理費用を最大100万円まで保証します。この保証額があれば、多くのトラブルに対応可能です。

クレームガード保証に必要な保証金は以下のとおりです。

スクロールできます
売却金額保証の料金保証限度額保証期間
国産車輸入車
~100,000円4,900円4,900円100万円7ヶ月
100,001円~200,000円5,900円6,900円
200,001円~300,000円6,900円7,900円
300,001円~400,000円7,900円9,900円
400,001円~500,000円8,900円11,900円
1,000,000円~1,500,000円11,900円17,900円
1,500,001円~2,000,000円13,900円20,900円
2,000,001円~2,500,000円15,900円23,900円
2,500,001円~3,000,000円18,900円26,900円
3,000,001円~21,900円29,900円
設定金額は国産車より輸入車の方が保証の料金が高く設定されています。

ビッグモーターのクレーム安心保証の保証金額は?

ビッグモーターは伊藤忠の買収によりWECARSにブランド変更しました。WECARSではクレームガード保証はありません。

以前は、クレーム安心保証という名前でガリバーと同じような保証を提供していました。

当時のサービス内容は、保証額は最大100万円、保証期間が10か月とガリバーより期間が長い保証でした。

スクロールできます
売却金額と車種保証金保証限度額保証期間
軽自動車もしくは
買取金額100万円未満の普通車
10,000円最大100万円10か月
買取金額100万円以上の普通車20,000円
輸入車30,000円

現在は、クレーム安心保証は廃止されているため、契約後の減額を防ぐための保証はガリバーのクレームガード保証しかありません。

ガリバーのクレームガード保証 | まとめ

ガリバーのクレームガード保証

ガリバーのクレームガード保証は、基本的に必要ありません。「クレームガード保証に加入する必要はない」でご紹介した内容を参考にすれば減額トラブルを回避できるからです。

また、加入するには保証料を支払わなければならず、その分、買取金額から減額されるようなものです。

どうしても不安な方は以下の判断基準に沿って検討してください。

クレームガード保証に入る判断基準
  • 中古車を購入したため修復歴や傷がわからない
  • 中古車で年式が古く走行距離が多い

上記の場合でも「売主として車の状態を正直に説明する」「売買契約書の内容を確認」を説明したとおりに行えば、クレームガード保証は必要ありません。

GOODSPEED編集部

今回はクレームガード保証の説明をしましたが、車買取で起きるトラブルは他にもあります。以下の記事もぜひチェックしてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次